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電離圏トモグラフィー
GPS衛星から送信される2周波の電波(1575.42 MHz, 1227.60 MHz)の電離圏遅延量を地上受信機で観測することで, 衛星と受信機間のSlant TECを求めることができます*1。この手法は超高層物理学において極めて有効な手法として広く用いられています。
多数のレイパスにおける Slant TEC を用いて逆問題を解くことで電子密度分布を 再構成することが可能ですが, データ数の制限や水平方向のレイパスの欠如のため, これを精度よく解くことは容易ではありません。多くの場合, 何らかの初期分布や先見的情報を用いて再構成を実現しますが, このような方法は擾乱構造の再構成には不向きといえます*2, 3。
そこで, データ数の制限や水平方向のレイパスの欠如に 起因する問題を解決するため, ニューラルネットークと GPS データを用いた手法 (RMTNN法:*4)を採用することで、特定の電離圏モデルに依存することなく, 少数データからの再構成が可能です*5, 6。
*1 Mannucci et al., 1998
*2 Austen et al., 1988
*3 Seemala et al., 2014
*4 Ma et al., 2005
*5 Hirooka et al., 2011
*6 Hirooka et al., 2014
Fig.1 GPS 外観
Fig.2 北米上空の電離圏トモグラフィー結果
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