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地震予知AI・地震予測AI

多様な地球観測データと先端AI技術を融合し、地震リスクの可視化と防災の高度化を目指す

HiSR株式会社|千葉大学関連スタートアップ

1. 背景|地震発生前のリスクを捉える新たな技術への挑戦

日本は世界有数の地震多発地域であり、大規模地震による人的・経済的被害の軽減は、社会全体にとって重要な課題です。

現在、地震発生後の揺れを迅速に知らせる緊急地震速報や、過去の地震活動・地質情報に基づく長期的な地震発生確率の評価など、さまざまな防災技術が活用されています。

一方、地震発生の数日前から数週間前という比較的短い期間を対象に、発生地域やリスクの変化を高い信頼性で予測する技術は、いまだ確立されていません。

近年の地球物理学研究では、大規模地震の発生前に、電離圏の電子密度、大気の状態、地震活動などに通常とは異なる変化が観測される事例が報告されています。ただし、これらの異常が必ず地震に先行するわけではなく、地震以外の自然現象によっても発生するため、個別の観測データだけで地震発生を判断することは困難です。

HiSR株式会社は、この課題に対し、地球を取り巻く多様な観測データと深層学習AIを融合することで、地震発生リスクを時空間的・確率的に評価する技術の研究開発に取り組んでいます。

 

2. 観測データ|電離圏・大気・地震活動を統合的に解析

HiSRの地震予測AIは、単一の観測指標に依存するのではなく、物理的に異なる複数のデータを組み合わせて解析することを特徴としています。

電離圏データ

GNSS(全球測位衛星システム)や電離圏観測装置から得られる総電子数(TEC)および電子密度(NmF2)などのデータを使用します。

地震発生前に報告されている電離圏の電子密度変動について、時間的変化、空間的広がり、異常の継続性などを解析します。

大気・気象データ

気温、湿度などの地上気象観測データを利用し、通常の気象変動からの逸脱や、地域的・時間的な変化を解析します。

電離圏と大気の双方を対象とすることで、異なる高度で観測される現象の関係性についても検討します。

地震活動データ

過去の地震発生時刻、震源位置、マグニチュード、震源深さなどの情報を使用します。

さらに、地震活動の時間的・空間的な集中を統計的に評価するETASモデルなどを活用し、過去の地震活動に基づく背景的な地震発生率を評価します。

宇宙天気データ

地磁気指数(Dst、Kp)、太陽活動指数(F10.7)、惑星間磁場(IMF)などを利用します。

電離圏の変動には太陽活動や地磁気擾乱が大きく影響するため、これらの情報を組み合わせることで、地震との関連が疑われる異常と宇宙天気に起因する変動を区別するための解析を行います。

このように、地球内部から大気、電離圏、宇宙環境までを対象とする多層的な観測データを統合することが、HiSRの技術的な基盤となっています。

 

3. AI技術|End-to-End型深層学習による時空間統合解析

HiSRでは、異なる種類の観測データをAIに入力し、地震発生リスクとの関係を統合的に学習するEnd-to-End型の深層学習技術を研究開発しています。

従来の解析では、観測データごとに異常を検出し、あらかじめ設定した条件や閾値によって地震との関連性を判断する方法が多く用いられてきました。

これに対してHiSRのAIは、電離圏・大気・地震活動・宇宙天気などの情報を組み合わせ、各データの時間的変化や空間的分布、データ間の複雑な関係性を学習します。

深層学習モデルには、時系列と空間分布の特徴を扱うConvLSTMなどの技術を活用し、複数の観測情報から将来の地震リスクを推定します。

この技術の特徴は、単に複数のデータを並べて比較することではありません。

物理的に異なる観測データを共同学習し、それぞれの情報が地震予測にどの程度寄与するかを検証しながら、予測モデル全体を最適化することにあります。

また、過去の地震を対象とした検証、地震活動のみを利用したモデルとの比較、特定の観測データを除外した比較などを通じて、AIの予測性能と各データの有効性を定量的に評価しています。

地震発生の有無を断定するのではなく、観測情報に基づく地震発生リスクの変化を確率的に捉えることを目指しています。

 

4. 地震予測SaaS|高度なAI解析をわかりやすい防災情報へ

HiSRは、研究開発した地震予測AIを社会で活用できるようにするため、クラウド型の地震リスク予測サービス(SaaS:Software as a Service)の開発を進めています。

本サービスでは、各種観測データの取得・処理、AIによる予測計算、予測結果の可視化までを一体化し、専門的な解析技術を利用者が扱いやすい形で提供することを目指しています。

主な提供予定機能

  • 地震リスクマップ: 日本各地の地震発生リスクを地図上に可視化し、地域ごとの相対的なリスクの違いや変化を把握

  • 複数期間の予測: 3日・7日・15日・30日先など、異なる時間範囲を対象とした地震発生リスクの評価

  • 観測データの可視化: 電離圏・大気・地震活動などの時系列変化や異常分布をグラフ・地図で表示

  • 継続的なAIモデル改善: 新たな観測データを用いた追加学習と検証を行い、性能改善が確認されたモデルを運用環境へ反映

  • 防災情報ダッシュボード: 地域別のリスク情報や観測状況を一元的に確認できる管理画面

これらの機能を通じて、研究者や専門家だけでなく、企業の防災担当者や自治体の危機管理部門などが、地震リスクに関する情報を日常的な業務に取り入れられる環境の実現を目指します。

 

5. 法人・自治体向け|事前の備えと事業継続を支援

HiSRの地震予測AI・SaaSは、法人・自治体を主な提供対象として開発を進めています。

地震発生リスクに関する情報を、企業の事業継続計画(BCP)や自治体の防災・危機管理に役立てることを目指しています。

電力・エネルギー・インフラ事業者

発電・送配電設備、通信設備、交通インフラなどの重要施設について、地域別の地震リスク情報を設備点検、監視体制の検討、緊急対応準備などの補助情報として活用することを想定しています。

損害保険・金融機関

地域ごとの地震発生リスクの変化を分析し、災害リスク管理、ポートフォリオ分析、リスク評価モデルの高度化などに活用する可能性を検討します。

製造業・物流・大規模施設

工場、物流拠点、データセンターなどを対象に、重要設備の保全計画、災害対応体制の確認、事業継続計画の高度化に役立つ情報の提供を目指します。

自治体・公共機関

地域ごとの地震リスクを可視化し、防災担当部門による情報収集、災害対応準備、関係機関との情報共有などを支援することを想定しています。

これらの用途については、利用者ごとの業務内容や求められる信頼性に応じた実証・評価を進めていきます。

 

6. 研究開発から社会実装へ

HiSR株式会社は、地球物理学と人工知能の専門知識を基盤とする千葉大学関連スタートアップです。

これまで蓄積してきた電離圏観測・解析技術とAI開発技術を融合し、地震短期予測の研究から、実際の防災業務に利用できるサービスの開発まで、一貫して取り組んでいます。

現在、地震予測AIの高度化、予測性能の検証、クラウド型SaaSの開発、法人向け実証の準備を進めています。

今後の事業展開として、2027年1月からのPoC(概念実証)、2027年4月からの有償サービス開始を計画しています。

地震予測は依然として科学的・技術的な課題の多い分野です。HiSRは、予測精度の客観的な検証と継続的な技術改善を重視し、実用的な防災情報としての価値を段階的に高めていきます。

 

7. HiSRが目指す未来

「地震を予測できる世界へ。」

HiSRが目指すのは、地震の発生を断定する技術ではなく、地球観測データとAIを活用して、地震発生前のリスク変化を可能な限り早く捉え、防災上の判断に役立つ情報へと変換することです。

電離圏、大気、地震活動、宇宙環境など、これまで個別に解析されることの多かった観測情報を統合し、AIによって新たな予測可能性を追求します。

そして、その研究成果をSaaSとして社会に届けることで、企業や自治体の防災対応、重要インフラの保全、事業継続計画の高度化に貢献していきます。

 

 

HiSR株式会社は、地球物理学と先端AI技術の融合により、地震リスクを「知る」ことから「備える」ことへつなぐ、新しい防災技術の実現を目指します。

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技術・サービスに関するご相談

HiSR株式会社(千葉大学関連スタートアップ)

Web:https://www.hrl.jp/

E-mail:info@hrl.jp

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※本技術は研究開発・実証段階の要素を含みます。地震の発生日時・場所・規模を確実に予知するものではありません。また、提供予定の予測情報は気象庁の緊急地震速報や公的な防災情報に代わるものではなく、防災上の判断を支援する補助情報として位置づけています。

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